2012年10月31日水曜日

若駒物語 〜初めて 乗用馬になった日〜

すっかり秋です。

太陽のアスランの居る、那須の鍋掛牧場もきれいな黄金色です。


2ヶ月ぶりのアスラン。

久しぶりに身体測定してみました。
(かっこの中は1年前の数値です)


体高:146 (128)
体長:145 (126)
帯道:160 (140)
腹周:177 (157)
肩幅:41 (33)
前肢管:19
前肢つなぎ:26
前肢膝下:45
後肢球節:27
後肢管:21



1週間前からアスランの基礎調教が始まりました。

乗用馬、競走馬ともに基礎調教は1歳半頃からスタートします。
鍋掛牧場にいる、未来の競走馬たち、乗用馬たち、皆そろって1年生!!



基礎調教に使用するのは、競走馬用の軽い鞍。
乗馬用の鞍とは違い、鞍自体が軽くて小さく凹凸も少ない。

ハミも、馬が口の中で遊べるような道具がついています。



まずは馬装時に厩舎の中でおとなしくしっかりと立っていられる。
この姿に感動、、、、なんてお行儀がいいのかしら、、、、。


頭絡の装着もスムーズ。
嫌がること無く、無理強いすることなく、馬装に協力してくれました。


ボク、お勉強きらいじゃないんだ。


いっちょまえ!


さぁ、今日もはりきっていこーーーー!!
教室に入っていくアスラン。


場長の沖崎さん自ら馬装してくださいました!!
きゃーーー



でっきるっかっなっ♪


馬装完了後、お尻や背中を軽く叩いて馴致。
一回目は一瞬「びくっ」としますが、その後は平気そうな顔。

ぴかぴかの1年生、がんばっている!

調馬策で沖崎さんの指示に従い、並足、速足、駈足の練習。
集中力!!!


しっかり後肢をふみこんで!

 
おぉ!



乗用馬っぽいショット!
なかなか かっこいいじゃないの〜


沖崎さんにかわってランジャーはおばーちゃん!

でっきるっかな♪

アスランよりも人間が緊張しちゃうよ!
どきどき。

沖崎さんが回す時より確実に反応が鈍い、、、むぅぅ難しいなぁ。

指示が曖昧でアスランが困ってました。
「何がしたいのかわからないよ!」
ごめんねぇ


では、、、







びょいーーーーーーーーーん


おっとととと、、、
よろけちゃいますよぅ、、、、


次はふんばってみる!!



びょいーーーーーーん!

もうよゆーだぜぇ!!



そして、、、、



アスランに乗ってみたいです!
という無謀なお願いを聞いてもらっちゃいました。


No プロテクター
No ヘルメット


完全に自己責任の上での初騎乗。
でも、どうしてもアスランが初めて乗せる人間になりたかった。




まずは声をかけながら腹這いになって乗ります。

アスランの背中に人間の体重がかかったのは初めてのこと。

「む? 今日の授業は一体なにが始まるんだ??」
アスランはとても注意深くしていました。


その状態で少し歩いてみました。




何度か乗り降りを繰り返し、大丈夫そうだったのでじゃあ乗ってみようか!と。




きゃーーーーー

アスランに乗った!
乗っちゃった!!!!!!!





産まれて1年半。

歯も無い、あかちゃんだったのに、、、、


ひよこのようにぐにゃぐにゃで、、、


マライカのお乳が安心グッズで、、、、


前に歩くのだってよちよちで、、、、


おっぱいばっかり飲んでるからいつもお腹が緩くってさ、、、





背丈はいつの間にか追い抜かされた。



        これから先のアスランとの未来が楽しみで楽しみで。



アスランがグリーンフィルドに来るのは来年の秋。
その頃にはどんな馬に成長してるんだろう。


アスランが初めて乗せた人間になれてうれしい。
いつの日か、アスランが最後に乗せる人間になりたいと、心から願います。


あと30年、んー、もっとかな。
ずっと一緒に生きていこうね。




おぉっとぉ! その頃には私も還暦か、、、、







HOPE CUP あんなこと、こんなこと・・・

HOPE CUPのために訪れた台湾での3泊4日、様々な出会い、チャレンジがありました。


競技に備えて長靴磨きをするMさん
自分でできることは自分で、と頑張りました!


  
Rくんのパパ特性の携帯用馬場!
これで部屋でも経路練習
経路の全体図をつかむことができるようになりました。

スペシャルゲストのアテネパラリンピックメダリストのJAN PIKEさん
60を超えても新しい馬でチャレンジする前向きな姿勢には感服。
ライダーも家族も指導者も大きな希望と勇気をもらいました! 

尊敬すべき先輩との出会い。
今回の競技会で大活躍した台湾、オーストラリアの選手と
同じ競技の場にたてたことは幸せです。
数年前に横浜の競技会に参加した台湾の仲間たちと再会。
選手たちの成長ぶりに驚き!
私たち海外からの選手団を温かく迎え入れ、大会を支えてくれた
セラピューティックライディングセンターのスタッフとライダーたち。
選手だけでなく関わった人皆が笑顔になれるステキな大会でした。
出会った方々に感謝。


2012年10月28日日曜日

HOPE CUP 報告

興奮の台湾の競技会が終わり、はや1週間。
次々とくるイベントの合間をぬってHOPECUPの報告をします。

HOPECUPプログラム





出場選手の写真とプロフィールが掲載されているステキなプログラムです。

台湾より6名、オーストラリアより5名、シンガポールより1名、日本より2名、計14名の選手に加え、アテネパラリンピック馬場馬術競技、銀メダルリストのJanPikeさんがオーストラリアよりスペシャルゲストとしていらっしゃいました。




 結果は・・・

NOVICE TEST結果表
(C)台湾馬術治療中心
FREESTYLE結果表
  
(C)台湾馬術治療中心




Mさん(グレード1a)
(C)台湾馬術治療中心
ノービステスト 
グレード1a/1b/2クラス 4位 51.45% 
(5人出場、内1名リード付の為表彰対象外)

フリースタイル 
グレード1a/1bクラス   2位 55.00%  (2人出場) 

☆Mさんのコメント☆
台湾の競技会は楽しかった。
いろいろな国から来た人たちに会い、たくさん友だちを作ることができた。

ふだん練習で乗っている馬と違う馬に乗って競技にでるのは難しかった。
でも、競技会で乗った馬 HOCKY はやさしかった。
本番中、緊張、興奮、不安で泣いてしまった時に HOCKY が「大丈夫だよ」と言ってくれたような気がして、だから最後まで演技を続けることができた。

Mさんは持ち前の人懐っこさで、初めて出会った海外の選手たちにも臆することなく話しかけていて、その社交性には大人たちもびっくり。初めての競技会、今までにはない経験をたくさんして涙もパワーに変えることができるようになったのでは・・・ 練習通りスムーズにはいかないなか、1人で最後までノービステストをやりぬいた頑張りは、主審にも褒めていただきました。

Rくん(グレード3)
(C)台湾馬術治療中心

ノービステスト 
グレード3クラス  8位 56.25% (8人出場)

フリースタイル 
グレード3/4クラス 3位! 56.25% (5人出場)








☆Rくんのコメント☆
HOPE CUP 楽しかった。
かっこよくやりきることができた。
FREESTYLE の駈歩の演技がうまくできた。
騎乗した馬のマイケルはやさしかった。午前中の演技が終わったあと、「すごいじゃないか!」といってくれた。 また競技会に参加したいです。次は右と左に馬を上手く動かせるように練習したい。

台湾にバズライトイアーという白い馬がいてその馬を気に入って、話しかけたら聞いてくれた。 「サンディという白い馬が日本の乗馬クラブグリーンフィールドに戻ってくるか?」って聞いた。「戻ってくるさ」といわれた。バズも日本につれて帰りたい。
サンディが日本に帰ってくるかは、秘密だ。

Rくんは馬たちと仲良くなるのが大得意。台湾の馬たちとも仲良くなったようです。
台湾のスタッフたちもRくんと馬との交流を温かい目で見守っていてくれました。
午前と午後の競技では集中して乗り切ることができました。 駈歩は主審にもほめていただき、今後の練習の励みになります。


(C)台湾馬術治療中心
競技の後、主審から選手へ演技についてコメント等もらえる時間がとられました。
この反省会では今後練習していくうえでの課題が明確になり、選手、コーチ、家族にとってとても有意義だと感じました。











最後に、RくんとMさんのご家族から競技会に参加しての感想が寄せられていますので紹介します。

☆Rくんご両親より☆
ホープカップを終えて・・・

国際試合がはじめての家にとっては、何もかもが驚きの連続でした。

台湾の馬場に着いてまず最初に驚いたのは、働く人と設備の素晴らしさ。日本にもそれなりの設備などを整えているところはあるようですが、障害者のためだけに、こんなに素晴らしい設備と人を目の当たりにして大変感動しました。それと外国のチームの一体感!我々日本チームの一体感もまんざらではなかったのですが、選手、コーチ、スタッフ、 親兄弟などの一体感は、迫力がありました。選手のレベルも、「これが国際試合か!」と実感させられるような、とても障害者とは思えないほどの高いレベルを持った選手ばかりでした。

馬場に着いた当日は、いろいろな馬に乗せてもらったのですが、なかなか日本の馬のようには扱えず、親は焦るばかり! しかしコーチの的確な馬選びもあって、夕方最後にマイケル(馬)に出会うことができました。

試合前日の練習では手綱が強いと馬が敏感に感応して縮んでしまうこと、手綱を幾分ゆるく持っても馬は十分に反応してくれることが分かったようで、十分に練習することができました。

試合当日、ノービステストの出番は一番最初だったので、 幾分緊張していましたが、今までの中で一番綺麗に乗ることができました。結果は8人中8位! でも十分満足のできる内容でした。

午後にはフリースタイルに出ましたが、こちらは伸び伸びと楽しく乗ることができました。
こちらは念願の銅メダル。本人は その場ではあまり 嬉しさを表現できていませんでしたが、日本に帰ってから、塾の先生、学校の先生、おじいちゃん、みんなにメダルを自慢していました。

今回のホープカップを終えてRには自信が出てきたようで、また出場したいと何度も言っています。  また機会があれば是非参加してみたいです。

最後に、今回指導同行をいただいたNさん、今まで練習してくださったOさん、 現地でお世話になったウタさん、一緒に参加できた  Mチャン、ママ、大勢のみなさん、本当にありがとうございました。
  

☆Mさんお母様より☆
Hope Cup 2012 in Taiwanに参加して

13歳、中学2年生のMは、初めての 馬場馬術大会に、しかもいきなり国外の台湾での大会に参加しました。
大会を終え思うことは、「 思いきって参加して、ほんとうによかった! 」ということです。
「力強さ」「カッコ良さ」「明るさ」に満ち溢れた大会でした。

6月にインストラクターの OさんとNさん からお誘いを受けた時 は「無理 . 」と涙を流したMも、夏休みからの本気モードの集中練習に今までにない楽しさを発見したようでした。どんな種目があるかも知らなかった我々でしたが、ノービステストと音楽に合わせた フリースタイルの2種目に出場することになり、親子であたふたと楽しくも悪戦苦闘の、しかし充実した日々。

心強いインストラクターとT一家と台湾のセラピューテックセンターについてからは、素晴らしい人々、馬、環境、施設、運営 驚きと感激の連続でした。
各国 の選手 は力強く レベル 高く、 乗馬とはこういうものだったのか!と衝撃を受けるほどでした。 練習の段階から萌子はかなり緊張し、気圧されてい たようです
本番では馬とのコミュニケーションに苦労し、競技中に悔し涙を流してしまいましたが、それでも最後まであきらめずに競技をやりきることができたことに たくさんの拍手と声援をいただき 大きな達成感を得たようです。
競技では練習のようにいかないこともありましたが、それも含めて素晴らしい体験をすることができました。

また、台湾、オーストラリア、シンガポールの選手や家族スタッフに出会えたことは、大きな喜びでした。
Mは体当たりの片言英語で、たくさんの外国のお友達をつくることができ、大喜び。
私も、 彼らの堂々としたスポーツ選手としての振る舞いに、それを支える人々の生き生きとした姿に、その仲間なのだと思うと誇らしいような気持ちになり、子供 が乗馬を続けてきたことを本当によかったと思えました。
アテネオリンピックのメダリストのMs. Jan Pikeさんにお会いでき、 わが子もこんな素敵な女性に成長してくれたらと思うような、 魅力的なお人柄に触れることができたことも素晴らしい出来事でした。

今回の大会に参加し、 乗馬には 様々な障害があっても本気の勝負のできるスポーツとしての素晴らしさがあることを実感し、馬とともに人として成長していくことができることの素晴らしさを気づかせてもらいました。
今回の大会参加にむけ、たくさんの方々にご協力と声援をいただきました。すべての方々に心から感謝申し上げます。


今回のHOPE CUP出場は、ライダー、家族、私たち指導者に大きな機会と刺激を与えてくれました。
競技に向かうまで、たくさんの練習と作戦会議を重ねてきたことも含め私たちのかけがえのない経験となりました。 

この機会を与え、たくさんの準備と配慮を重ね、私たちを温かく迎えてくださった台湾セラピューティックライディングセンターのUTAさんはじめ、スタッフの方々、本当にありがとうございました。
また活動をサポートをして下さっているmudef様はじめ、関わっていただいた方々、馬たちにも感謝いたします。

これからも希望、勇気、頑張る気持ちを持ってパワフルに!

この事業はmudefの協力で実施しました。ありがとうございました。

2012年10月23日火曜日

証拠写真!?



「なんで笑いながら走行してるの?」

と競技のたびに言われます。


本人は笑ってるつもりは無く、至ってまじめにしているのですが
マライカと競技に出られることがうれしくって。つい、、、、。



「何をぶつぶつ言いながら走行してるの?」

これも競技の度に言われます。


ぶつぶつアヤシゲ独り言ではないんです。
マライカと色々と作戦を話しながら走行してるんです。
本番の馬場に入ったら頼れるのはお互いだけだもの。

お互い緊張してるし、いつものように話しながら競技でも走行してるだけなのですが、、、



今回は笑ってる証拠写真をばっちり撮られてました、、、

確かに笑ってる、、、、
端から見たらやっぱりおかしいかも。
気をつけます!